今年度の現大学3年生の就職活動ももうすでに始まって3ヶ月程たっています。今年は「就活生組合」のデモなど例年とはちょっと違った雰囲気になっています。 BLOGOSの記事に元代表の宮内春樹氏のインタビューがあったので読みました。いろいろと思うところがあったので記事にしました。(※尚、宮内氏は1月25日付けで代表を退かれているそうです。)
最初に言っておきますが、今回の記事はあくまで僕の個人的な感想です。どっちが正しいとか言うつもりはまったくありません。否定的な内容も含まれますが、一般論ではなく僕個人がただ思ったことなのであしからず。大意はありません。あと、少々上から目線の部分もあるかもしれませんが、その辺りは多めにみてもらえれば。。。ごめんなさい。
元代表宮内氏の率直な印象
現大学2年生、就職活動だけに限らず自分の将来に対してしっかりした考えをもっていて、感心しました。そしてその行動力は尊敬します。実際に自分の考えたことに対して具体的に行動できるスキルはすばらしいものだと思う。かなりうらやましい。。
こういう人材は正しい方向にすすめれば仕事でもすばらしい成果をきっとあげると思う。ただ、ちょっと甘い。それが素直な感想です。
就職活動のための学生生活
就職活動に有利なサークル、部活、授業という風に学生生活のすべてが就職活動を意識して決められている
これは一部は正しい意見だと思う。コネなんかも実際にはあるよ確実に。就活を意識して大学生かつを送っている学生もいる。でも、全ての学生がそうしているわけではない。自分のしたい部活、授業などをめいいっぱいやって希望の企業に就職する人、いっぱいいます。そういう学生時代に打ち込んだことを比較的大きな割合で選定の基準にする企業も多いと思う。
そして、企業に自分を売り込む以上、中の人に自分を知ってもらうことは有効な戦術のひとつです。実際に仕事の中では紹介等で案件をいただくことも多々あります。
ただ、これだけはわかってほしい。例えば友人のAさんがゴールドマンサックスのBさんのコネで同社に入社できたとします。それはそのAさんがすばらしかったということ。Bさんの目にとまったということです。人を推薦、紹介することはそれほどに勇気がいります。とくに人事に影響を与えることができるそれなりのポストの人ならなおさらです。それに新卒採用に携わる人はそれなりに人を見る眼が肥えています。自分が見込みがないと思った人を採用することはまずありません。
服装について
私は「リクルートスーツ」の存在も非常に問題視しています。
これ同感です。大学生の多くは(社会人にとってもそうですが)数万円って大金ですよね。それにスーツにも色々な着こなし方はありますがスーツよりも好きな服装で就職活動をするほうが、各人の個性も垣間見えると思います。SONYがそういった方針を打ち出しましたが、これは大賛成です。
内定率7割と新卒と中途の線引き
内定率が7割しかないということを問題視しているのです。そもそものパイが限られている。
これはね、パイは限られてないと思う。新卒採用を希望している企業が募集人員より少ない採用数ってことは結構にあると思います。企業側が求めていても学生がもっといい企業を望んでしまう。「一部上場企業がいい、ベンチャーはいや、上場していない企業はいや」っていう感じ。これは100%あります。たしかに上場企業においても不況の影響で採用枠を減らしていることは事実ですが、そもそも極端に言うと就職率100%、特に第1希望の企業に100%っていう資本主義の国は危ないよ絶対。競争力のない国は確実に取り残される。
企業も今後の社運をかけて採用活動をしているのですから、眼に留まる人材がいないなら無理して採用することもありません。
1度大学を卒業してしまえば、多くの企業を受験する資格がなくなってしまう。10人に3人は再チャレンジする機会を失ってしまう。
これは卒業したら新卒扱いでなくなるってことよりもわざと留年したら新卒扱いのままってことのほうがナンセンスだと思うけど。。。留年の理由はポジティブなことからネガティブなことまでさまざまあるので企業側には判断のしようがないのかなあって感じです。
就職活動の時期
第一に大学の学業を阻害しない就職活動であることです。具体的には、説明会の解禁は4年次の8月からにすべきだと思います。日程も土日もしくは平日の夕方に開催されるのがベストです。そして、採用の解禁は全学事日程終了後の2月にする。
これは本当に難しい問題だと思う。大学を卒業してすぐ次の4月から就職ってかたちなので、どう考えても大学生活のどこかとかぶります。確かに企業側の利己的な判断もあると思いますが、経団連からしてみれば3年生の冬休み、春休みの時期が一番ベストという判断なのだと思います。でも確かにテスト時期が重なることは問題ですね。そしてあまり早い時期から採用活動が始まることも好ましくありません。基本的には大学生は大学生活を遊びも含めて楽しんでなんぼだと思うので。
ただ企業側からしてみれば4年生早々までに就職を決めて、卒業研究をしっかりやってほしいという気持ちもあるのではないでしょうか。第一希望の職種に内定がもらえた場合はその内容の研究をすることも多いと思いますしね。
説明会自体も時間はじっくり吟味する必要があるとは思います。ただ、重ねて言いますが企業側も社運をかけて採用活動をやっています。決して義務的なものやおまけ的な気持ちでやっている訳ではありません。あくまで採用は今後の会社を担う人材の発掘が目的です。それ専門の部署をおいてあらゆる基準から希望者を見ています。そして採用の解禁が2月っていうのはちょっと遅いかな。いずれにせよこれは大学側と経団連とで議題にあげていかなければならない項目ではないでしょうか。
労働基準法の話
しかし、まもなく労働者になりうる学生と企業の間には、そういう関係性が一切ない。
これは当たり前。だって実績がないもの。社会人は結果をだしてなんぼ。給料だってまだ一部では年功序列的な考え方が残っているけど、だんだんと考え直されて実力主義に変わってきています。実績のない新卒社員と給料の話は厳密に言うと材料がないからできません。だから全員平等にスタートしましょうってことだと思います。わずかな間に実績をあげて給料が何倍にもあがった人はいくらでもいます。
現在は、特にIT企業などはプログラム言語がかけたりアプリがつくれたりと就職前から実績がつくりやすい社会になってはきています。そういう人材は実際になにも実績がない新卒社員よりは即戦力として給料の話し合いもしっかりあると思いますよ。
まとめ
「早慶東大レベルの学生であれば、普通に就職できるだろう」という考えは最早通用しません。という言葉は裏を返せば「早慶東大レベルの学生であれば普通に就職できるはずだ」といっているようにも聞こえます。
就職活動の時期の問題だったり、就活生ターゲットの悪質なビジネスだったりいろいろな問題は確かにあります。そういったことを経団連、就活生、そして大学側も含めて議論していくことは必要だと思います。三方よしの就職活動ができればそれがベストだからです。ただ、企業側は大学生が大学に通っている以上、その状況に考慮する必要があるし、学生側(大学も含めて)も企業は将来をかけて真剣に採用活動をしているということは理解しておく必要があると思います。
ただ、以前の記事にも書きましたが、ちょっとこのインタビューは安定志向的な考え方も見え隠れするなあというのが正直な印象です。もっとなんていうかがっついてもいいんじゃないかと。。。
と、まあさんざんに偉そうに書いてきましたが、僕自身はたいした人間でもないので、どっかの誰かの戯れ言として読んでいただければ幸いです。気分を害された方がいらっしゃったらお詫びいたします。
最後にひとこと
おそらく採用してくれる企業はないでしょうね。私のような反逆者を採用するような「骨のある企業」があったら入社しますよ
私は宮内さん、あなたが反逆者だとは思いません。自分の意見を素直に訴えることができる人だと思います。そしてそれはすばらしい能力です。いい企業はそういった声をしっかり題材にしてどういう方法をとったらいいのかしっかり議論すると思います。
ただ、自分のことを反逆者と言ってしまうことは疑問です。反逆とは企業のもっている理念に背くことです。言い換えれば会社のすすむベクトルと違う方向をむいているということです。反逆者は会社そのものをのっとろうとすることはあっても議論はしませんよ。あなたは自分の持っている考えに基づいて社会をいいほうへ変えようとしている。会社に置き換えれば自分がこうすれば会社はもっとよくなると思って動いていることと同じです。その考えが正しいかそうでないかは別として会社のため、社会のためを思って動いています。それは反逆者ではありません。むしろ逆です。
そして反逆者を採用する企業が「骨のある企業」ではありません。
それでは
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