オリンパス問題(オリンパスショック)をまとめてみる


2011/11/17
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いまさらって感じですが、話がごちゃごちゃしていまいち理解できていなかったので一回この問題についてしっかり理解しておこうと思いまとめておくことにしました。上場廃止するとか上場維持するとかどっちつかずの状況ですね−。

そもそもオリンパスって何の会社?

まあ、オリンパスという会社が何をしている会社なのかは皆さんご存じだと思います。一眼レフカメラPENは有名ですよね。

オリンパス株式会社

株式市場

東証一部 7733 /1949年上場

所在地

本社:東京都新宿区西新宿2-3-1新宿モノリスビル

本店:東京都渋谷区幡ヶ谷2-43-2

設立

1919年(大正8年)10月12日

業種

精密機器 / 事業内容:精密機械器具の製造販売

PEN

主力商品はカメラ・顕微鏡や内視鏡などの医療機器・双眼鏡など。”PEN”シリーズを展開する一眼レフカメラ部門はミラーレス一眼レフの一大ブームを呼んだ。

じゃあそのオリンパスは何をやらかしたの

端的にいうとオリンパスは1990年代から損失隠しをしていた。その損失はバブル期の財テク(後述)で生じたもので、外部の企業に損失を移す飛ばし(後述)という手法で隠されていたという疑い。

「財テク」とは??

企業や個人が本業以外に余剰資金を投資にまわすこと(株取引・土地・債券など)。バブル期に過剰に行われていた結果バブルがはじけてしまった。ちなみに「財テク」は「財務テクノロジー」の略語。ハイテクという言葉とかけている。

「飛ばし」とは

「飛ばし」の例

1.ある会社の株式を100億円分購入。

2.その会社が経営不振に陥り、株価が1/10になってしまう。
→100億で購入した株式が10億の価値に・・・(△90億円)

▷この90億の損失の計上を回避するために・・・

3.他の会社にその株を100億円で売る。

ただし、このままではもちろん買ってくれるところなど無い。。

▷だったら条件をつけましょう

条件:○○年後に120億円で買い戻します。

これが「飛ばし」のからくりです。もちろんある程度の知名度と信用のある会社のみができます。そしてオリンパスは一部上場企業。約束を守れず、公表されたときの信用の失墜は計り知れないので、約束は守るだろうと信用されていたのでしょうかね。結局明るみにでてしまいましたが。。

そのオリンパスショックまでの流れ

1.2007年と2008年の買収案件

2007年

ジャイラス(英医療機器メーカー/当時売上500億円)を2000億円で買収

※その際AXESとAXAMの2社(英ケイマン諸島所在)にアドバイザリー報酬700億(異例の高額。通常は買収額の1%程度が相場)を支払う。ちなみにAXAMは3ヶ月ご登記抹消されている。

2008年

アルティス・NEWSCHEF・ヒューマラボの3社を合計734億円で買収

各社売上はアルティスが2億、NEWSCHEFが6億、ヒューマラボが9億。3社計17億。これを734億円で買収。。。ちなみに井坂公認会計事務所が第三者機関として買収額を公正と判断している。オリンパスとこの公認会計士は数年で数十倍に成長すると思っていたと説明。

2.問題勃発の2011年

新社長が就任した4月

マイケル・ウッドフォード氏(当時グループ会社社長)がオリンパス社長に就任。氏は30年間英オリンパスで働いてきた生え抜き。英国人として初の社長に大抜擢された。

突然英国人社長が解任された7月

月刊の雑誌”FECTA”の記事を見て、2007年と2008年の買収を不振に思い、世界4大監査のプライスウォーターに調査を依頼。いろいろと問題を知り菊川会長や副社長に引責辞任を書簡にて求めたところ、3日後に解任される。後任は菊川会長が社長を兼任。

問題が明るみに出てきた10月

10月14日

ウッドフォード氏が、英フィナンシャル・タイムズ紙に自身の告発の内容を明らかにして一連の問題が明るみにでてきた。

【インタビュー】オリンパス社長解任劇の背景=ウッドフォード前社長 – WSJ日本版

10月19日

オリンパス側が一連の報道に対する当社の見解についてという資料を開示。減損処理については「リーマンショック等により外部環境が悪化したことを考慮し、保守的に減損処理を行ったもの」と説明。あくまで適正な処理を主張していた。

事態が急変する11月

オリンパス社は8日、過去の損失計上先送りに関するお知らせという資料を開示。過去の財テクによる巨額損失を2007年、2008年の買収の資金を複数のファンドを通すなどの方法(飛ばし??)で計上を見送ってきたと発表。その日の午後、10月26日から就任した高山修一社長が単独会見を開き、森前元副社長(8日付けで解職)の自白で判明したと表明。ただし、ウッドフォード氏の解任については正しかったと見解を示す。

株価の推移

オリンパス直近チャート

2011年10月13日に2,526円だった株価は問題発覚からストップ安の連続で2011年11月11日(ポッキーの日(‘▽’@)/”)には460円まで下落。管理銘柄入りし、上場廃止懸念がでてきた(11月14日までに平成23年9月中間決算を提出できない見込みとの発表のため)。しかし翌日から上場廃止懸念後退との報道により、3日連続ストップ高、4日目の今日も続伸し、747円で取引を終えている。一部で、証券取引等監視委員会が、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の容疑で法人を刑事告発せず課徴金納付命令の金融庁への勧告にとどめることを検討していることがわかったと伝え、法人として刑事責任が回避されれば、上場廃止基準に抵触せず回避されるとの観測が強まった。

思うこと

これが全て事実だったとしたらとんでもなく恐ろしいことですよね。社長になってしまった後には自分を犠牲にしてそれを正すか、その地位を守るために問題を隠すことを先代より継承するか。。。結局勇気を持って行動したのは日本人ではなくオリンパス社で初めての英国人社長だったということです。僕が考えるこのオリンパスショックの問題点は以下2つです。

問題点1.投資家を欺いた。

本来、株式市場はその企業に投資してもいいと言う人が株式を購入します。つまりオリンパス社を期待して購入するわけですよね。なかにはオリンパスの製品が好きだからという理由の個人投資家もいるかも知れません。
過去の損失を隠し、特に今回の場合は1000億円を超える損失なわけですから計上すると純資産を圧迫し、債務超過に陥る可能性もあります。それを知らずに投資家は実際の価値よりもかなり高額で株式を購入していたことになります。

世界における日本の上場企業の信用がこれにより著しく失ってしまうことは避けられないかもしれません。

問題点2.不正会計を監視する仕組みがない?

日本の企業は取締役会が社内の重役で構成されるケースも多いです。そのため、この様な問題が表にでてくることは少ないです。実際にオリンパス社も2009年に当時の監査法人から不正があると指摘があるとその直後、その監査法人を解約したというような話もあるようです。今回のマイケル・ウッドフォード氏の解任も同様です。

1000億を超える損失を出したのは1990年代ですからそれから今までに数回社長は交代しているはずですがこの問題が放置されていたと言うことはさみしいですね。日本の誇る大企業の社長は社内の浄化よりも自分の地位を守ることを優先してきたというふうにとれなくもないですから。。友人にもPENをずーーっと愛用しているやつがいるんですが、どういう心境なんですかね。。。その社長の下で何も知らずに一生懸命働いてきた社員の方々はどういう心境なんでしょうか。。。

なんか後味わるいです。これからどうなるかわかりませんが。。。同様のことをしている他の会社もあるのかもしれませんね。。

それでは

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