SONYとシャープの決算発表からテレビの今後を考えてみる

TV_sony 経営

SONYとシャープの2012年3月期決算が発表されました。準損益は両社とも大幅な赤字。原因は液晶事業との発表でした。今まで新聞とならび最も大きなマスメディアだったテレビというものは今後どうなっていくのでしょうか。

2012年3月期連結決算

SONY

純損益:▲2014億円

原因
  • テレビ事業の不振(8年連続赤字)
  • タイ工場の洪水被害
  • 事業部再編によるリストラ費用で出費増

シャープ

純損益:▲2900億円(過去最高)

原因
  • 「液晶事業の不振が最大の原因」(片山社長談)

不振により、大型液晶パネルは減産。堺工場は1〜3月までで半減させる。亀山ブランドで知られる亀山工場も減産。

この他パナソニックは7000億円超の巨額赤字になる見込みらしいです。3社ともテレビの事業を赤字の原因とあげていますが、これは一概にテレビが薄利商品だからというわけではなさそうです。

テレビ離れ

最近皆さんテレビみますか??僕はもともとあまりテレビをみるほうではなかったんですが、最近は前にもまして見なくなりました。。。見るのはスポーツ中継くらいで最近ではニュースもあまり見なくなってしまいました。
正直に言うとあまりテレビ面白くないんです。時間も拘束されるし。ニュースは新聞やインターネットで自分の好きな時間にみることができるし、バラエティもなんか見る気がしないんですよね。。皆さんはどうですか?

少し前のデータになりますが、ちょっと興味深いデータがあったのでご紹介します。テレビの視聴時間の推移です。

2005年と2010年のテレビ視聴時間の年代別比較

情報通信白書
平成23年版 情報通信白書

上の図をみると10代20代などの比較的若い世代は3割近くテレビの視聴時間が減っています。3割っていったらかなりの減少です。全体の統計では4分(4%弱)の減少ですが、それは50代以上の世代がテレビ視聴時間が増加している分がそれ以下の世代の減少を補っているからといえます。
さらに、これもまた古いデータで申し訳ないですが、NTTコミュニケーションズが発表した「テレビ視聴の実態」調査結果によると20代以下の世代でほとんどテレビを見ない割合は14.7%にもなるそうです。

まあ日本だけのデータしか調べてないので世界的にこうなるとは言えないんでしょうけど、これが何を意味しているかというと、今後もっとテレビを見る人は減りそうだということです。
若い世代がテレビを見る習慣があまりないのでその世代が親になってもその子供はやっぱりあまりテレビをみないんじゃないかなあと。ということは今後どんどんテレビ視聴時間は減ってくる可能性が高いと思います。

10年後の日本は今あるスカパーe2みたいにテレビ番組を買うのが主流になっているかもしれません。逆にそっちのほうがテレビ需要は増える気がします。
なんとなくですが、テレビが売れないのはテレビの問題より、配信する番組の問題のほうが大きいのかなと。。。

CESで注目をあびたもの

そんななか米国ラスベガスでCES(Consumer Electronics Show)が開催されました。その中で最も注目されたものの一つが有機ELテレビだったそうです。

サムスン有機EL
※画像はギズモード・ジャパンより。

LG電子とサムスン電子が55インチ有機ELTVを出品していたみたいで、なんとディスプレイ厚が4mmしかないとか。もう壁にかけるというよりは貼付けるといった表現のほうがあうかもしれません。有機ELテレビのもう一つの特徴は発色がいいということ。とくに黒の表現がきれいらしいですね。僕も見てみたい。

サムスン有機EL
※画像はギズモード・ジャパンより。

4mmという薄さは日本のメーカーからは「その薄さに意味があるのか?」ていう疑問の声もあるみたいですが、国内各メーカーは2015年くらいから有機ELテレビの本格的な普及がはじまると予想しているらしく、それまでに商品化できるように開発をすすめているみたいです。

そういえば数年前SONYから有機ELテレビでましたよね?どこいったんだろ。。

Apple iTV

iTV
※画像はJonathan Ive working on 50-inch Apple iTV unit | T3より

もうひとつ忘れてはいけないのがAppleのiTVです。まああくまで噂の話なのですが。もともとApple社の秘密主義は有名な話。iTVという名前も本当かどうかはわかりません。シャープとサムスン電子のどちらかor両社で製造を担うとも言われていますが、シャープ片山社長は「りんごの気持ちがあるからコメントのしようがない。」と話を控えています。詳細は3月くらいにわかるとこれも噂レベルの話なのですが聞いたことがあります。
そんなiTVの予想される特徴が以下。

  • 42型と50型の有機ELパネル搭載
  • iOS搭載
  • Siri(以前記事に書きました。)のような音声認識エージェント搭載
  • タッチパネル
  • ジェスチャーコントロール
  • リモコン操作がシンプルに

こういった機能の噂がながれています。Appleは全ての家庭のデバイスを統合したいらしいので、iTVもiTunes等を介して番組配信をしたりするのかもしれません。Apple社のことですからなにか革新的な機能がありそうで期待が膨らみます。

まとめ

こういったことを見てみるとそろそろテレビのかたちも変わってくるのかなあなんて思います。テレビの中身(番組)に依存してテレビの販売を落とすわけにはいかないので、各社その対策を今考えている最中でしょう。
テレビ離れがすすむなかメディアの配信の仕方、あり方から総合的な大きな変化がおこってくるのかもしれません。そしてそれを起こさなければテレビというハードは先が見えないのかもしれません。
個人的にはSONY製品好きなのでSONYに前のWALKMANのときのように世界的に革新的なアイディアをだして欲しいなあなんていちファンとして思っています。

それでは

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