僕はクライアントワークのときにはIllustratorのバージョンは主にCS5を使っています。クライアントさんによってはテキストオブジェクトをアウトライン化する前のデータも提出することがあるのですが先方のバージョンがAi10以下のときはバージョンをおとして普通に保存するとテキストオブジェクトが分割されてしまいます。そうならないようにするための方法を備忘録がてらシェアします。
イラレCSからテキストエンジンが変わった。
CS以上のバージョンのIllustratorを使っていてIllustrator10以下で保存した場合はテキストオブジェクトが上の図のように分割されてしまうんですね。これをポイントテキストというみたいなのですが、そもそもこれはCSから搭載された自動カーニング機能を10以下のバージョンでは理解できないため、そのカーニングが保持されるように座標ごとに別のテキストオブジェクトになってしまうことが原因のようです。これから10以下で保存する場合にそんなポイントテキストにならないように保存する方法と、ポイントテキストになってしまっているデータを元に戻す方法をご紹介します。
ポイントテキストになることを防ぐ設定方法
上の図の4つの部分を設定します。
- [文字]パネル[文字間のカーニング]を0にする。
- [文字]パネル[文字ツメ]を0にする
- [文字]パネルの[トラッキング]を0にする
- [OpenType]の[プロポーショナルメトリクス]のチェックをはずしOFFにする
全てのアウトライン化していないテキストを選択し、この操作をして保存するとポイントテキストにならずにバージョンをおとして保存できます。
ポイントテキストを結合する方法
次は古いバージョンのデータを新しいバージョンで開いた際にポイントテキストになってしまったものをひとつのテキストオブジェクトに戻す方法です。
1. 結合させたいポイントテキストを全て選択して、[編集]メニュー→[カット]をクリック。
(※もしくはショートカットキー⌘[command]+Xでもいけます)
2. [文字ツール]でクリックして文字を入力できるようにする。
3. [編集]メニュー→[ペースト]でペーストするとひとつのテキストオブジェクトとしてペーストされます。この時はフォントやサイズなどの情報は保持されます。
(※ペーストはショートカットキー⌘[command]+VでもOK)
これでしっかりと修正できます。位置などが関係ない場合などはポイントテキストをすべて選択カットして、改めて文字ツールで全てをペーストしてもいけます。
まとめ
今はIllustratorはCS5.1までリリースされてて今年はCS6がリリース予定なんですが、意外と今でもイラレ10やイラレ8でデータ提出して下さいっていうクライアントさんも多いです。それだけ、その辺りのバージョンでも完成度が高いソフトだったってことなんでしょう。知ってて損はないTipsだと思います。初めて知ったときはちょっと感動しましたXD
それでは
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